· 

額を磨く女

店員・栃澤由美がお届けいたします。

 

額と絵のクリーニングを承りました。

額は「ルイ額」というフランスの額とのこと。

水拭きをかけたあと、クリーナー剤と綿棒で装飾の部分を磨いていきます。

黙々と手を動かしていると色々な思いが浮かんで来る・・。

 

入っていた絵を見ていなかったので、

「どんな絵だったのだろう?」と・・・

花の絵のイメージが浮かんできます。

これだけの額ですから、豪華な花の絵かな?

 

 

また黙々と手を動かす・・・

「どんなお部屋にかかっていたのだろう・・・」

 オスカルが立っていそうな?

 

 

更に・・

「どんな職人さんがこの装飾を彫ったのだろう・・・」

 

「これは額になる前はどんな木だったのだろう・・・」

 

 

 

フランスから遠く離れた東洋の海辺の町、

路地裏の額縁屋で、小さな日本人の女が

今、黙々と磨いている。

 

 

 

 

 

 

中の絵は想像した通り、豪華な花の絵だった。